子どもの忘れ物が多いときの対処は?

自分から

 

私は中学生の学習塾をやっていますが、忘れ物をする子は決まっています。

 

忘れる子は何度も忘れるし、忘れ物をしない子はしないです。

 

違いは何でしょうか?

 

どうしたら忘れ物をしなくなるでしょうか。

 

 

忘れ物を自分のことと考えているか

 

成績が伸びる子の特徴の一つとして「自己管理」があります。

 

塾の体験学習で私が見るのは、その子が「自分で考えたり判断できる子か」という点です。

 

例えば、うっかりノートを忘れたとしましょう。

 

AさんとBさんで比べます。

 

Aさんは「先生、ノート忘れました!」と言います。

 

元気がいいのは良いのですが、そのまま黙っています。

 

これでは成績の伸びは期待できません。

 

忘れたことを報告して自分の仕事は終わったと思っているからです。

 

Bさんは「先生、ノート忘れたので白い紙をもらえませんか?」と言います。

 

この子は自己管理ができて成長もできます。

 

今後、成績も伸びてゆくことでしょう。

 

忘れたことの報告の後に「ではどうすればいいか?」を考えて行動できるからです。

 

勉強のわからないことは自分で調べたり人に質問したりして解決できるでしょう。

 

テスト勉強でも状況を見て、判断し、解決するための行動ができます。

 

自分で考える機会を与えましょう

 

一方の「ノート忘れました!」のAさんは、どうすればいいか自分で考えていません。

 

むしろ「ノートを忘れたので、先生なんとかしてください」と言いたいようです。

 

Aさんの勉強は、わからないことがあっても「先生がなんとかしてくれる」です。

 

他人任せでは成績が上がりません。

 

家庭でも同じことが言えます。

 

親が先回りして「ああしなさい・こうしなさい」と指示を出してばかりいると、子どもは自分で考えなくなります。

 

家庭学習のやり方でも、親がつべこべ言うと子どもは勉強しなくなります。

 

子ども自身に考えさせ判断させる機会を増やしましょう。

 

状況を考えて判断し行動できる=自立している子は、成績が伸びるからです。

 

子どもに考えさせる声掛け方法

 

家族の会話

 

では、自分で考えて判断する子どもに育てるにはどうしたらいいでしょうか。

 

日頃の会話から、お子さんが自分で考えられるように工夫しましょう。

 

良い会話の例をみてみましょう。

お子さん  「今日は疲れた」

 

お母さん  「疲れたんだ。どうして?」

 

お子さん  「練習がきつかった」

 

お母さん  「どんな練習したの?」

 

お子さん  「パスの練習がずっと。いつもより長かった。」

 

お母さん  「パスの練習か〜。ずっとってどれくらい?」

 

お子さん  「1時間くらいかな」

 

お母さん  「どう思った?」

 

お子さん  「まぁ、パスは基本だしね」

 

お母さん  「パスはサッカーの基本だよね」

 

お子さん  「ロングパスがあまりうまくいかない。」

 

お母さん  「ロングパスね。どうしたらいいと思う?」

 

お子さん  「集中的に練習するしかないかな。また頑張るよ。」

 

お気づきになったかもしれませんが、お子さんに考えさせる仕掛けがあります。

 

どうして?」「どう思う?」「どうしたらいい?」「どうしたい?」など、「ど」で始まる質問を投げかけています。

 

これはお子さんが考え、自分の状況と心を整理して判断するキッカケとなります。

 

お母さんが自分の意見を言うのではなく、子どもに考えさせています。

 

子どもが伸びない会話

 

怒る親

 

もう一つ、会話の例をあげておきます。

 

お子さんが学校から帰ってきて、先生に怒られたらしいとわかりました。

 

宿題をしていかなかったようです。

 

あなたなら、どんな話をしますか?

 

お子さん  「今日、学校で怒られた」

 

あなた   「どうして?

 

お子さん  「宿題やっていかなかった」

 

あなた   「どうして宿題やっていかなかったの?」

 

お子さん  「うっかり忘れて」

 

あなた   「どうして帰ってすぐやらなかったの?」

 

お子さん  「友達と遊んでいて・・・忘れていて・・・」

 

あなた   「どうして忘れたの?」

 

お子さん  「メモした紙をなくして」

 

あなた   「どうしてなくしたの?」

 

このように「どうして?」を繰り返すと、子どもは追い込まれてしまいます。

 

宿題を忘れたのはいけないことですが、それ以上に責められていることを感じます。

 

今後はマズイことがあったら、親に隠すか嘘をついてごまかそうとするでしょう。

 

「どうして?」よりも、「どうやって?どれくらい?」を適度に使うのが有効です。

 

子どもが前向きに考えられる会話

 

会話

 

一番いいのは、自分の考えを言わせたうえで応援することです。

 

お子さん  「今日、学校で怒られた」

 

あなた   「どうして?」

 

お子さん  「宿題やっていかなかった」

 

あなた   「宿題忘れたんだ」

 

お子さん  「うっかり忘れて」

 

あなた   「どうしたら忘れないと思う?」

 

お子さん  「メモするとか・・・」

 

あなた   「メモか・・・いい考えだと思うよ。」

 

お子さん  「でも・・・面倒だな」

 

あなた   「たしかに面倒だね。面倒じゃない方法はないかな?」

 

お子さん  「・・・・・」

 

あなた   「一緒に考えてみようか」

 

宿題を忘れたのはもう終わったことです。

 

過去のことを責めてもまた忘れてしまうでしょう。

 

それよりも今後はどうすればいいのか、最後はお子さんに考えさせるようにしましょう。

 

宿題はお子さんのもので、宿題忘れの問題を解決するのはお子さん自身だからです。

 

忘れ物が多いときも、お子さんに「どうしたらいいかな?」と考えさせましょう。

 

少し時間がかかるかもしれませんが、少しがまんして子どもの成長を待ちましょう。

 

子どもに考えさせ、自立させる会話

 

  • 自分で考えられる子は伸びる
  •  

  • 先回りして親が決めない
  •  

  • 「ど」で始まる質問
  •  

  • 前向きに考えられるように

 

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