テストの結果が悪いときの声掛け
あなたはお子さんと会話をしていますか?
子どもとの会話で心を支えるキーワードは、「共感」です。
共感することで親子の信頼関係が深まり、良好なコミュニケーションができます。
良くない親子の会話
こんな例から見てみましょう。
お子さん 「今日のテストできなかった」
お母さん 「だから勉強しなさいって言ったのに、もう。」
お子さん 「・・・・・」
お母さん 「何点だったの?次は頑張りなさいよ」
お父さん 「そんなことじゃ志望校は無理だぞ。しっかりしろ」
お母さん 「やる気あるの?やる気がないなら塾もやめさせますよ」
お父さん 「お前のために言っているんだぞ。わかったな。」
お子さんの話の前に、お母さんとお父さんが結論を導きだしています。
お子さんは全然勉強しなかったわけではないでしょう。
また、お父さんやお母さんに聞いてほしくて話し始めたのです。
自分なりに頑張ってみたことを少しはわかってほしい、
実はテスト勉強のやり方がわからなくて相談しようとしていたのかもしれません。
このような会話が続いていると、お子さんは大事なことでも親に話さなくなります。
中学3年生の本当に勉強が必要な時期になって「勉強しなさい!」と言っても聞く耳を持たなくなるでしょう。
落ち着いて子どもの話を聴く
テストの結果が出たら、言いたいことがたくさん出てくるかと思います。
しかし、自分の言いたいことは我慢して「聞き役」にまわってください。
まずは話を聞いて共感してあげ、それからこちらの気持ちを伝えます。
お子さん 「今日のテストできなかった」
お母さん 「そうか〜、できなかったんだ。」
お子さん 「うん、難しかった」
お母さん 「思ったより難しかったんだ。勉強してたのにね。」
お子さん 「うん、応用がちょっとできなかった」
お父さん 「文章問題か? お父さんも苦労したな〜。」
お子さん 「お父さんも苦労したの?」
お父さん 「苦労したよ。それなりに頑張ったけど」
お子さん 「へ〜、そうなんだ。次はもっと頑張るよ」
お母さん 「そうね、応援しているから。」
お父さん 「手伝えることがあったら言えよ」
お母さんとお父さんはお子さんの言葉をくり返しているだけです。
くり返して共感することで、子どもは「わかってもらえた」と嬉しくなります。
親は結論を急がず、子どもが「次は頑張る」を言うまで待っています。
勉強のやる気スイッチは、こちらが押し付けるのではなく、本人が押すものです。
子どものやる気を出させる方法はこちらに書いたので、参考にしてください。
子どもは自分で決めたことなら、責任をもって努力もできるでしょう。
自分の子ども時代の話をする
また、この会話のお父さんのように、自分の中学時代の話もしてあげてください。
「お父さんも中学生時代があった」という事実だけでも、お子さんには新鮮です。
お父さんとお母さんも同じように勉強し、部活動も頑張っていたと伝えてください。
そして、苦労したこともあったけど良い中学時代だったと話してあげたいです。
明日からお子さんが前向きに学校生活を送れるからです。
勉強の意味を教えましょう
さて、あなたは中学生のときにこんな疑問を持ちませんでしたか?
『なんのために勉強しているのか?』
お子さんが同じ疑問を持っていたら、あなたは何と答えますか?
ちなみに私は塾の生徒たちに「人の役に立つため」と答えています。
友達の消しゴムが床に落ちたのを拾ってあげたら「ありがとう」と言ってもらえた。
中学生は人の役に立てる喜びを経験する時期です。
学校や地域で学ぶことは、大人の社会に出たときに人の役に立ちます。
人に喜んでもらい、自分も喜ぶ。そのために今は学校で多くを学んでおく。
私はそのように教えています。
あなたも家族の会話の中で、ぜひあなたの答えを話してあげてください。
お子さんの勉強へのモチベーションが高まるのは間違いありません。