令和の大学選びは個性重視
私立高校の説明会に出席すると、接続大学の話もいっしょに聞きます。
ご存知の通り、大学受験はいわゆる推薦入試の割合が増えています。
少子化が本格化していることもあり、とくに地方私立大学は生徒確保に必死です。
私立高校もその流れは同じようで、特色化を打ち出しながらも推薦枠を増やしています。
中には公立高校との併願も可能な推薦もあります。
こちら石川県の私立高校の入学者のうち、過半数は推薦と専願で占められるようになりました。
何人かの校長は説明会の中で、
生徒が本当に多様化していて、私たちの価値観が通じない。
と愚痴のように話していました。
高校受験はゴールではありません。
お子さんが厳しい社会を生き抜くために必要な高校選び、大学選びをしていきたいものです。
1,子どもの価値観の多様化
ダンス部やEスポーツ(ゲーム)部の設立を望む生徒たちがいるが、設備面でも資金面でも叶えてあげることができないと話す高校がありました。
いくつかのクラブを掛け持ちしながら国立大学を目指す生徒がいる一方、何のクラブにも入らず勉強にも熱心でない生徒も増えたそうです。
学力の2極化が言われて久しいですが、クラブ活動でも2極化の傾向が出ているようです。
また、勝利至上主義ではなく、
- 楽しく活動できればいい
- 思い出が作れればいい
- 友達をつくりたいだけ
という子も増えたそうです。
勉強に限らず、子どもの価値観が多様化しています。
昭和生まれの親御さんは、自分たちの価値観をいったん忘れる必要がありそうです。
時代は急速に変化しているからです。
2,進路はマッチング・幸福
進学先が大学であれ、専門学校であれ、就職であれ
- 楽しく学びたい
- 自分を能力を伸ばしたい
- 充実した時間を持ちたい
このような動機で未来を選ぶ子が増えたそうです。
これも多様化の一つですが、大学選びも偏差値一辺倒ではなくなりました。
偏差値の高い大学に行くことは人生の成功者になる可能性が高くなりますが、「高い偏差値の大学に入ることが自分の幸福ではない」と考える子も多いのです。
大学の学部も昭和にはなかったものが多く、自分のやりたいことや個性に合わせて選べます。
大学選びはパートナーマッチングになったといえるでしょう。
3,子どもの希望や幸福を目指す
もちろん、偏差値の高い高校や大学を否定するわけではありません。
多くの知識を得ることは知恵につながり、学びは人生を豊かにしてくれるものです。
学問は長く社会の役に立ち続け、また人の能力を引き出すツールです。
しかし、学びに希望や幸福がないなら虚しいだけでしょう。
昔は「高偏差値=成功者=幸福な人生」でしたが、今は社会的な成功と幸福が一致しません。
自分の考える子どもの幸せと子ども自身が望む幸福が異なる場合もあるでしょう。
私も地方の小さな塾長として微力ながら、一人一人の生徒が希望を持って学び、幸せに結びつくように教えていきたいと思っています。