希望の進路が親子で違うときは?
高校受験の年は、進路についてあれこれ悩むと思います。
お子さんには志望校があり、親御さんには希望の高校があるでしょう。
親子の希望が異なるとき、どのようにして決めればいいでしょうか?
普通科か工業系か
私の塾で実際にあったことを例にしますね。
塾の教室見学の親子と面談をしましたら、進路について親子で意見が合わないようでした。
お子さんはあまり勉強が好きではありません。
成績も平均より少し下です。
希望を聞くと公立普通科を志望しています。
学力的には妥当なところで今から努力すれば届きそうです。
通学も容易な距離で、お子さんが自分で考えた進路です。
しかし一方のお母さんは勉強が好きではないなら高校は工業系をと考えています。
勉強が好きでもないのに普通科では、その先が続かない。
名もない大学に行っても意味がない。
それより技術なり資格を身につけて早めに働いた方がいいのではないか。
これも一理あります。
ところがお子さんは工業系にまったく興味がありません。
手先が器用ではないし、理科や数学も好きではない。
興味もなく、好きでもない勉強をするには高校3年間は長すぎます。
話は平行線のままでケンカになりそうでしたので、ご家庭でよく話し合いをするようお伝えしました。
結果は、高校の普通科で勉強しながら決めるという結論に達しました。
工業に興味が出たら、工業系の大学に進めばよいからです。
高校は行ってみないとわからない
インターネットの掲示板サイトにはいろいろな学校評価が書かれています。
また、その高校に通う先輩から話を聞くこともあるかもしれません。
しかし高校評価はあくまで個人の感想です。
例えば、同じ文化祭の行事にしても「すごく盛り上がって楽しい」と感じる子と「全然つまらない」と感じる子がいます。
当たり前ですが、高校は実際に通ってみないとわかりません。
工業科に入学してからその分野に興味がわくことも可能性がゼロではありません。
普通科に進んで、勉強が楽しく感じることもあります。
先生や友達との出会いの影響も大きいです。
魅力的な師に出会って未来の道が見えることがあります。
一生の友となる子に出会って良い影響を受けることも多いです。
くり返しになりますが、高校は行ってみないとわかりません。
お子さんが中学生の時に親子それぞれが描いた未来とはまったく異なる高校生活になることも珍しくはありません。
一歩引いて第3案を考える
高校受験が近づくと親御さんは視野が狭くなりやすいです。
「将来はこうあるべき!」「〇〇高校に合格でなくてはダメ」このように選択肢が狭くなっていきます。
もちろん、お子さんの幸せを願ってのことですが、お子さんの進路については一歩引いて俯瞰することも大切です。
- 普通科でも就職するには?
- 工業ではなく、商業への興味は?
- 高校は普通科でその後に専門学校は?
親子で意見が合わないときこそ選択肢をしぼりすぎず、柔軟に考えていきましょう。
基本的な受験校の選び方はこちらに書きましたので、振り返ってみてください。
学校の先生に相談したり、インターネットで情報を集めたり、家族みんなで相談していくと、必ず第3の案が出てくるものです。
お子さんの大切な将来です。
心の余裕のある時に家族で何度も話し合って決めていきましょう。