行きたい高校がない子や将来の仕事にも興味がない子には
中学3年生は志望高校や将来の夢が決まっていると勉強のやる気も出しやすいです。
また、目標は具体的であるほど、実現の可能性も高くなるでしょう。
しかし、なかなか受験校が決められなかったり、将来像が描けない子も多いです。
受験高校や将来の夢について何も決まっていない子へのアドバイスです。
地元高校についてホームページで調べよう
志望校の候補もないときは、候補を選びましょう。
お住まいが富山でしたら、パソコンやスマホで「富山県 高校」で検索してください。
富山県の高校の一覧が出てきます。
なかでも通える範囲の高校は絞られてきますので、いくつかピックアップしておきましょう。
高校の学力や偏差値については、中学校の担任の先生に相談するのが確実です。
今の学力で安全なところを一校、今の学力と同じレベルの高校、少し頑張れば届きそうな高校を選びましょう。
高校受験偏差値についてはこちらをご覧ください。
オープンスクールへ
いくつか候補の高校が決まったら、夏休みからのオープンスクールや体験入学に参加しましょう。
ホームページで見た印象と実際の高校が同じなのか違うのか感じる良い経験です。
模擬授業を受けられる高校や部活動体験ができる高校もあります。
自分がこの高校に通ったらどうなるか、想像できますね。
日程が大丈夫なら、候補以外の高校に行っても良いでしょう。
各高校では、生徒も先生も雰囲気が違うことがわかると思います。
大学・短大・専門学校・就職先も観よう!
将来の仕事や夢について考えたいときは、高校のホームページの大学名や就職先を見ましょう。
そして、大学や就職先のホームページも検索して訪れます。
将来、大学に進学したら何を学ぶのか、どんなサークルがあるのか調べてみましょう。
就職先の企業なら何をしている会社なのか、給料はどれくらいなのかもわかるでしょう。
中学生は、なかなか未来の姿を想像できません。
当たり前ですが、この先の人生を経験したことがないからです。
便利なインターネット検索で、将来の姿を想像するのを助けてもらいましょう。
いろいろな大学や会社を見ることで、将来の仕事や夢について考えるヒントになります。
お父さん・お母さんの青春時代を話す
お父さんやお母さんが中学生だったころを思い出してください。
高校受験はどうでしたか?
将来の姿は想像できていましたか?
お子さんと同じように悩んでいた方も少なくないでしょう。
もし思春期に同じように悩んでいたら、お子さんの話を聞いて共感してあげてください。
もし志望校がハッキリしていたなら、どうやって受験校を決めたか教えてあげてください。
お父さんやお母さんの経験を話してみてください。
大学や短大のことなど、青春の思い出を語ってください。
思春期の楽しかったことや辛かったことを話してください。
お父さんお母さんも高校受験を経験して今がある、そのことがわかるだけでも、お子さんの見る目が変わります。
身近な家族の話は、お子さんが自分のことを考えるヒントになります。
お父さんお母さんの仕事を話す
お子さんが将来の仕事や夢について何も決まっていないなら、家族の方がご自身の仕事について話してあげてください。
私の塾で聞いても、親の仕事を知らない子が多いです。
仕事内容はもちろん、仕事の喜びも辛さも伝えてください。
生きるために必要なお金を得ることができると話してもいいでしょう。
世の中にはいろいろな仕事があることを知り少しでも仕事の中身がわかるのは良い経験だからです。
学校生活と同様に、お子さんが自分の将来を考えるヒントになります。
ユーチューバーになりたいと言い出したら?
ユーチューブやティックトックの動画サイトが大好きな中学生は多いです。
もし、お子さんが「ユーチューバーになりたい」と言ったら、親はどうしたらいいでしょうか。
確かにユーチューバーは楽しそうですから、子どもがあこがれるのも無理はありません。
1、全否定はしない
塾の子でもユーチューバーやゲームクリエイターなど、身近で面白そうなものになりたがる子はいます。
将来の仕事の希望や夢がないよりは良いかもしれません。
しかし、動画投稿しているの?と聞くと、「まだ」と答える子が大半です。
スマホがあれば動画投稿は誰でもできますし、1本でも投稿したらユーチューバーになれるわけです。
でも、具体的な構想を考えたり行動に移す子はごくわずかです。
かりに数本投稿したとしてもアクセスがほとんどなく、甘くない現実を知ることでしょう。
しかし実際に動画を投稿することは良い社会勉強だと思います。
ヒカキンさんなど有名人がいかに努力しているか理解できるでしょう。
ただ注目を集めればよいということではなく、面白く楽しまる動画を継続してつくる必要があるからです。
一方、中学生はユーチューバー!と言っていた子が、やっぱり公務員がいい!と言い出すこともあります(笑)
ですから、お子さんがユーチューバーになりたいと言っても全否定はせずに、しばらく様子を見ましょう。
2,志を持つことの大切さ
うちの塾生の中に「看護師になりたい」と言っている子がいます。
具体的な職業を決めている子には、こんな話をしています。
希望の職業が定まっているのは素晴らしいね。
じゃあ、せっかくだから「どんな看護師になりたいか」を考えてごらん。
とりあえず勉強して資格試験に合格すれば、看護師にはなれる。
実は看護師になった後が大事だから。
ここでたとえ話をします。
同じ仕事をしている3人の男性がいます。
どうやら教会を建てる仕事のようです。
通りかかった人が3人にたずねました
「キミはここで何の仕事をしているの?」
一人目は額に汗してシンドそうです。
「見ればわかるだろう、レンガを積むのがオレの仕事さ」
二人目にも同じ質問をしました。
「僕の仕事は教会の壁をつくることだよ」
3人目は、こう答えました。
「ここに来た人たちは祈りをささげて心を癒すんだ。
皆で聖歌を歌うと気持ちがいいだろうね。
私は人々を幸せにする場所をつくっているんだ」
同じ作業でも、とらえ方によって違うという例です。
仕事に対する心持ちというのはとても大切ですよね。
大義がないと日頃のレンガ積みがイヤになってきます。
レンガ積みの先にある「人の役に立つ」という大義が大切です。
看護師など、具体的な目標が決まっている子には、志をもって看護師になってほしいと私は伝えています。
それがユーチューバーであっても、人を中傷してアクセスを集めるのでなく、人を幸せにするユーチューバーであってほしいと伝えています。
3,その仕事をするのに今必要なことは?
受験高校の決め方も同じですが、まずはその仕事の情報をもっと集めさせましょう。
進学する高校も将来の仕事も通い続けることや働き続けることも見据えましょう。
また、自分の適性についても考えさせましょう。
趣味とは違って、仕事にするとなると
- どれくらいの再生でいくらお金がもらえるか
- 機材は何が必要なのか、
- 動画1本つくるのにどのくらい時間がかかるか
- たくさんの人に観てもらうのに何をすればいいか
考えて準備することがたくさんあるはずです。
おそらく中学生はそこまで考えていないでしょう。
なりたいという意思否定はせずに、もう少し具体的な部分をお子さんに考えさせましょう。
ゲームクリエイターや他の仕事であっても「それになるにはどうすればいいのか?」を考えさせたり、調べさせましょう。
自分で考えたり、調べることによりお子さん自身に「気づき」があると思います。
お子さんが「〇〇になりたい」と言い出したことは歓迎し、成長につながると考えましょう。